南極とはどんなところでしょうか。地球の最南端にあって、雪で覆われていて、寒い所のイメージはあると思いますが、火山があって温泉があるということは意外に知られていなかったりもします。今回は南極について基本的なことをご紹介します。
【目次】
南極の日
1911年(明治44年)12月14日、ノルウェーの探検家であるロアール・アムンセンと4人の隊員が世界で初めて南極点に到達したことを記念して、この日を記念日としています。1910年(明治43年)に、イギリスの海軍軍人であるロバート・スコット、ノルウェーの探検家であるロアール・アムンセン、日本の陸軍軍人である白瀬矗(しらせのぶ)の三つの探検隊が南極点をめざし、アムセン隊は1911年(明治44年)12月14日に最初に南極点へ到達し、その33日後に、スコット隊が南極点に達しましたが、その帰路で全員が遭難死しました。白瀬隊は南極点到達をあきらめましたが、その時に到達した場所(南緯80度5分)を「大和雪原(やまとゆきはら)」と名づけました。
1月29日は「南極の日・昭和基地開設記念日」、4月6日は「北極の日」となっています。
ほぼ氷の世界
南極は南極大陸と南極海からなります。南極大陸の上には氷床(ひょうしょう)と呼ばれる1,000~2,000メートル厚い氷で覆われていて、いちばん厚いところでは4,000mメートルもあります。富士山の高さが3,776メートルですので、富士山よりも高い氷があることになります。南極大陸の面積は約1,400万平方キロメートルあり、これは、日本の大きさの36倍、オーストラリア大陸のほぼ2倍に相当します。約98%は氷で覆われ、平均約2,500mの厚さの氷があります。
地球で1番寒い場所
南極は地球で一番寒いところです。南極にある昭和基地の夏の気温が平均でマイナス1度、冬の気温が平均でマイナス20度です。南極大陸で観測された最低気温は、2010年(平成22年)8月10日に記録したマイナス93.2°Cです。これは人間が数回呼吸しただけで、肺から出血して即死するほどの気温です。ちなみに、北極と南極ではどちらが寒いのかというと、答えは南極。北極の最低気温はマイナス71度ですが、南極の最低気温はマイナス89.2度です。南極の方が寒い理由は2つあります。1つ目は、標高の違いです。北極の氷の厚さは最大で10m程度ですが、南極の平均標高は約2,500mもあります。2つ目は、北極は海と氷のみしかありませんが、南極は大きな陸地があり、海は陸よりも冷たくなりにくい為です。
極夜と白夜がある
南極には一日中太陽が出てこない極夜(きょくや)と、一日中太陽が出ている白夜(びゃくや)と呼ばれる日があります。極夜や白夜の日数は緯度により異なり、高緯度になるにつれてその期間は長くなります。昭和基地では約45日間、南極点では約半年間の極夜と白夜が続きます。
湖、火山、温泉がある
南極の氷の下に湖があることがわかっており、中でもロシアのボストーク基地の下には、長さ240km、幅50kmのボストーク湖があります。琵琶湖の長さが約65km、幅約25kmですので、ボストーク湖は琵琶湖の20倍ほどの面積となります。また、南極大陸には活火山と温泉が存在します。デセプション島という火山島があり、火山の影響で地熱が高く、熱のため雪が解け、南極付近では珍しく地表がむき出しになっています。ペンギンの繁殖地としても知られています。この火山島には天然の温泉があります。そのままではかなりの高温ですが、海水と混ざった部分に寝転がって入浴することができ、南極クルーズツアーで、この島の温泉を訪れることが可能です。
まとめ
この通り、人類が南極大陸に上陸して、研究施設を作り、様々な調査を行ってきたことで、南極のあらゆる発見がなされましたが、一方で、広大な地であるがゆえに、まだまだ未開の地が多くあります。今後も驚くほどの発見があるかもわかりませんね。