「仁多米」という美味しいお米をご存知でしょうか。西日本で唯一「特A」を獲得した高評価の良質米です。
私の伯父と伯母が島根県仁多郡奥出雲町に住んでいるのですが、毎年のように「仁多米」を送ってくれ、いつも美味しいお米を頂いております。
今回はこの「仁多米」をご紹介させて頂きます。少しでも美味しさが伝われば嬉しいです。
【目次】
1.仁多米の収穫地である「島根県仁多郡奥出雲町」はどんなとこ?
【人口】(平成29年8月1日現在)
13,055人(男:6,278人、女:6,777人)
【面積】(電子国土基本図による)
368.01 km2
【町の概要】
〈場所〉
島根県の東南端、広島県と鳥取県に接し、斐伊川の源流域にあります。
〜車でのアクセス〜
松江駅から60分
出雲市から60分
広島駅から135分
大阪駅から240分
〈神話の地〉
日本最古の歴史書『古事記』に記されているヤマタノオロチ伝説は、出雲平野を潤し宍道湖に注ぐ大河である斐伊川の源流のある鳥髪の地(船通山)にはじまります。
〜ヤマタノオロチ伝説〜
日本の最初の男の神様であるイザナギノミコトの鼻から生まれた神様であるスサノオノミコトは、海原の統治を任されていたにも関わらず、国を治めず、成人しても子どものように泣きわめくばかりか、目に余る悪事を繰り返していた為、神様たちの世界である高天原(たかまがはら)を追放されてしまいます。
高天原を追放されたスサノオノミコトが降り立った場所が、肥河(現在の斐伊川)上流の鳥髪(現船通山)でした。
スサノオノミコトが上流へ向かうと、泣いている老父(アシナヅチ)と老婆(テナヅチ)が1人の娘(クシナダヒメ)を囲んで泣いていました。スサノオノミコトが泣いている理由を老夫婦達に聞いたところ、「私たちには、8人の娘がいたのですが、ヤマタノオロチがやってきては、毎年娘たちを一人ずつ食べていってしまうのです。そして今年もまた、ヤマタノオロチがやってくる時期がきたので、最後の娘であるクシナダヒメをも食べられてしまうかと思うと悲しくて、、、」と言います。続けてスサノオノミコトはヤマタノオロチについて尋ねると、老夫婦はこう答えました。「一つの胴体に8つの頭、8つの尾を持ち、目はホオズキのように真っ赤であり、体にはコケやヒノキ、スギが生え、8つの谷と8つの丘にまたがるほど巨大で、その腹は、いつも血でただれている」と。その恐ろしい風貌にスサノオノミコトは暫く考えたあと、クシナダヒメとの結婚を前提にヤマタノオロチの退治を約束することになります。
スサノオノミコトは退治の前に、まず嫁になったクシナダヒメの身を守るために、クシナダヒメを爪櫛の姿に変え、自分の髪にさしました。そして老夫婦に、「8回繰り返して醸造した強い酒を造り、垣根を作り、その垣根に8つの門を作り、門ごとに8つの棚を置き、その棚ごとに酒を置いておくように」と指示をしました。やがて、ヤマタノオロチがすさまじい地響きを立てながらやってきました。そして、8つの門にそれぞれの頭を入れて、ガブガブと酒を飲み始めました。すると、酔っ払ってしまったのか、ヤマタノオロチはグウグウとすさまじいイビキをかきながら眠り始めました。その時、スサノオは刀を振りかざし、ヤマタノオロチに切りかかり始めたのです。そして、刀がオヤマタのオロチの尻尾に差しかかった時、何かが刃先に当たりました。不思議に思ったスサノオノミコトが中を切り裂くと、「草那芸之大刀(くさなぎのたち)」が出てきました。
見事にヤマタノオロチを退治したスサノオノミコトは「草那芸之大刀」を姉のアマテラスに献上し、クシナダヒメと暮らす場所を求めて「須賀非山」にたどり着きます。
スサノオノミコトはクシナダヒメとの間に多くの子孫をもうけましたが、そのうちの1人、スサノオノミコトの7世の孫が、因幡の白兎でも有名で縁結びの神としても名高い、出雲大社の祭神、オオクニヌシノミコトと言われています。
〈たたらの精神が息づく地〉
良質な砂鉄がとれたこの地では、「たたら」による鉄づくりが盛んに行われていました。その「たたら」があらゆる産物を生み出すことになります。
まず、砂鉄を得るため山を削りましたが、採取跡地を荒廃させることなく、棚田として活用した結果、「仁多米」という産物を生み出すことになります。その他には、採取跡地の地ならしに使われたそばが「横田小そば」に、運搬に使われた牛が「奥出雲仁多牛」に、商売で必要だったそろばんが「雲州そろばん」に、町の産業が「鉄」から木炭に移り変わる際に運搬目的で開通された線路が「JR木次線」になったように、奥出雲町は「たたら」の精神が息づいています。
〈名物・特産品〉
・仁多米
・しまね和牛(奥出雲和牛)
・奥出雲椎茸
・奥出雲酒造
・仁多もち
・奥出雲そば
・雲州そろばん
・奥出雲舞茸
・奥出雲椎茸
・雲州幸光刃物
・出雲おろち大根
2.仁多米とは
【概要】
仁多米(にたまい)とは、島根県仁多郡奥出雲町で収穫されるコシヒカリです。日本穀物検定協会の米食味ランキングでは、西日本で唯一「特A」を獲得した高評価の良質米。「東の魚沼、西の仁多米」と言われています。天皇陛下主催の晩餐会御仕立米でも有名です。第12・13・14・15・16回「米・食味鑑定士国際コンクール」で5年連続金賞を受賞。他にも様々な受賞をされてます。
【美味しさの理由】
〈昔からの棚田〉
仁多郡内の田んぼは、ほとんどが昔ながらの棚田で、全国棚田百景に選ばれた棚田もあります。
〈昼夜の温度差〉
穂に実の入る時期に昼の気温が高く夜の気温が低いことがお米の旨味に大変重要な要素となるようで、仁多郡内の水田は標高300~500mにあり、この条件に合致しているそうです。
〈ミネラル豊富な水〉
仁多郡は面積の約9割を占める豊富な森林に覆われ、冬に降った雪が雪解け水となって花崗岩にろ過され、ミネラルをたっぷり含んだ岩清水が美味しい稲を育むそうです。
〈堆肥による土作り〉
仁多郡は和牛飼育が盛んであり、古くから完熟堆肥による土作りが行われ、有機質豊富な水田が作られてきたそうです。 現在では堆肥センターが作られ、地元和牛の堆肥を6ヶ月以上の長い時間をかけて発酵する方法で良質な完熟堆肥を生産され、その堆肥を全域の水田に散布して土作りを行い、お米を栽培されてます。
〈貯蔵方法〉
仁多郡カントリーエレベーターでもみ殻付きのまま低温貯蔵し、出荷直前にもみ摺り・精米されています。もみ殻のまま貯蔵することで、お米の最適水分である14.5~15.5%での貯蔵が可能で、1年中みずみずしい新米のときとほぼ同じおいしさをお届けできるのだそうです。
3.私の感想
すみません、写真を撮るのが下手でうまく伝わらないかもわかりませんが、炊き上がりはふっくらつやつやで新米のような輝きです。味も新米のように美味しく、妻と2人で思わず「美味しい!!」と叫んでしまいました。粒の大きさは、やや小さめになるのでしょうか。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。仁多米のことについて興味を持って頂けたでしょうか。
実は私の両親が島根県出雲市の出身で、私も出雲市で生まれました。なので、島根県への思い入れは大きく、今回は仁多米をお勧めさせて頂きました。きっとご満足頂けるお米だと思いますので、是非食してみて下さい。
〈参考〉