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「血清療法」ってナニ?

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「血清療法」についてお話ししたいと思います。近年、世界中で猛威を振るったエボラ出血熱の治療法でも活用されましたが、いったいどのような治療法なのでしょうか。

 

【目次】

血液について

まずは、血清療法について説明する前に覚えておかなければならないのが、血液についてです。まずは血液について理解しましょう。
血液の量は、人の場合は体重の約8%を占めています。
血液は、液体成分の「血しょう」と有形成分の「血球」の2つで成り立っています。さらに「血球」は、「赤血球」・「白血球」・「血小板」の3種類からできています。

では、それぞれの働きについて説明します。

血漿(けっしょう)

黄色みをおびた中性の液体で、90%ぐらいの水と、これに溶けた様々な物質でできています。その物質の具体的な成分は、蛋白質(アルブミン、フィブリノーゲン、免疫グロブリン)・脂質糖類(グルコース)・無機塩類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、銅、リン等)です。血漿の役割は、細胞へ無機質の栄養素、血漿タンパク質(浸透圧や緩衝作用調整)のほかにも、アミノ酸やホルモン・ビタミン類を運び、二酸化炭素、尿素、アンモニアなどの老廃物を肺や腎臓に運ぶ働きをしています。ほかに出血が起きたときに、血小板や赤血球と一緒に頑丈な血栓を作って傷口をふさぎます。また、いろいろな抗体が含まれ、病原体の排除に重要な働きをしています。

赤血球

人の赤血球は、水やヘモグロビン(タンパク質)、脂質などの物質から構成されていて、直径約8μm(マイクロメートル。1マイクロメートルは1000分の1mm)の円板状で、核がなく中央がくぼんでいます。膜は弾性に優れて容易に変形できるので、毛細血管など細いところも通りやすくなっています。赤血球を作る上で必要となるものは生成する上で、鉄、ビタミンB12、葉酸が重要とされています。赤血球は骨髄で作られて、古くなると脾臓で分解され排出されます。寿命は約120日間。赤血球の役割は、肺で取り込まれた酸素と二酸化炭素の運搬です。赤血球の中には、「ヘモグロビン」というタンパク質が含まれています。ヘモグロビンは、酸素と結びつく性質を持っていて、酸素が多いと酸素と結合しやすく、逆に酸素が少ないと酸素を離しやすい性質があります。酸素の多い肺で酸素と結合して「酸素ヘモグロビン」になります。その酸素ヘモグロビンは、体の中のいろいろな組織に酸素を運び、その組織に酸素を渡してヘモグロビンに戻ります。そして、肺に戻ったヘモグロビンは、再び酸素を受け取ります。

白血球

顆粒球(かりゅうきゅう)・リンパ球・単球の3つから構成されます。直径約10〜15μm(マイクロメートル。1マイクロメートルは1000分の1mm)で2個以上の核を持つものが多いです。血液1mm3中に約4000〜8000個ふくまれていますが、病気などで数が大きく変化します。顆粒球の役割は、細菌の捕食や殺菌、寄生虫の攻撃やアレルギー反応を引き起こしたり抑制する働きがあります。リンパ球の役割は、抗体を作って、ガン細胞やウイルスに感染した細胞を攻撃する働きがあります。単球の役割は、細菌などの異物を捕食し、リンパ球に抗体の特徴を伝える働きがあります。このように、白血球の役割を簡単に説明すると、病原体やガン細胞を攻撃し体を守る働きをします。

血小板

約2〜5μm(マイクロメートル。1マイクロメートルは1000分の1mm)の不規則な形をした細胞核を持たない円盤型の細胞です。血液中の1mm3中に約30万個ふくまれています。寿命は、10日間程度。血小板の役割は、ケガなどで血管が傷ついて出血した際に、血管の収縮が起こり、傷口を小さくします。そして血小板が傷口に集まってきて、傷口と結合し、血栓(けっせん)を作って、傷口をふさぎます。血小板から血液の凝固に関わる「血液凝固因子」が出て、水に溶けにくい「フィブリン」という繊維状のタンパク質ができます。このフィブリンが血球と絡み合って、血液を固めます。このような現象を「血液凝固」といいます。血小板や赤血球などを絡め取りながら凝固してカサブタができます。

 

以上が血液についての説明でした。これを踏まえて、続いては血清(けっせい)について説明します。

血清とは

血清(けっせい)とは血液を採取して試験管などに放置しておくと、血液が固まって固形成分が下に沈殿して、淡黄色の透明な液体が上にできます。これを血清と呼びます。血液から有形成分を取り除いたものを血しょうと呼びますが、血清はさらに線維素などの成分を取り除いたものです。

 

血清について理解できたところで、最後に血清療法について説明します。

血清療法とは

ウマなどの動物の体に、病原体や毒素を繰り返し注射をすると、ウマの血清中に抗体ができます。この血清を「免疫血清」といいます。これを患者に注射して、抗原抗体反応を利用して治療することを「血清療法」と呼んでいます。つまり、血清療法は強い毒素を出す病原体に対し、その毒を弱めようとする治療法です。例えば、毒ヘビにかまれた場合、人の体内ではヘビ毒に対する免疫システムが作動しますが、追いつかず、大量の汗が噴き出て、かなり危険な状況になります。こんな状況下で役に立ってくるのが血清療法です。血清療法では、他の動物の体内で作られたヘビ毒の抗体を含んだ血清を患者に投与します。すると、毒ヘビにかまれた体内では、自分の体内でつくった抗体と、投与された抗体との2馬力でヘビ毒に対処できるようになります。

 

まとめ

血液と血清を知り、血清療法を説明しましたが理解できましたでしょうか。血清療法は人以外の体で抗体を作り、その抗体を含んだ血清を、なんらかのウィルスに感染している人の体に投与して、そのウィルスを撃滅させる仕組みですね。ちなみにインフルエンザなどの予防接種は、病原体やその毒素を弱めたり滅菌したりして無毒化したワクチンを、健康な人の体に投与して、自ら抗体を作り出して、あらかじめ病気になりにくくするものです。

12月はインフルエンザが流行り出す時期ですね。予防接種はできるだけしておきましょう。