「有機農業」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。なんとなく体に良さそう、というイメージがあっても実際その言葉が持つ意味について正確に知っているという人は少ないのではないでしょうか。日本においては「有機農業推進法」という法律ができるほど、「有機農業」が注目視されています。「有機農業」に関することについて紹介したいと思います。
【目次】
有機農業とは
2006年(平成18年)に制定された有機農業推進法においては「有機農業」を以下のように定義しています。
“この法律において「有機農業」とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう”
つまり、簡単に言うと農薬や化学肥料にたよらない、自然のめぐみを生かした農業のことですね。
有機JASマークについて
出典:農林水産省Webサイト
有機農業から作られた食品が「有機食品」ですが、その食品が「有機食品」であると判別する方法をご存知でしょうか。日本においては「有機JASマーク」という印があります。2000年(平成12年)から日本でスタートした有機食品の検査認証制度に基づいて、厳しい基準をクリアした食品だけに貼られるものです。
日本では、かつては有機食品についての統一された基準がなく、消費者は商品を選ぶ時に困っていました。そこで、1999年(平成11年)に改正されたJAS法に基づいて、有機農産物とそれを原料とした加工食品のJAS規格が定められました。農林水産大臣が認めた登録機関から認定された製造業者が、ルールを守って生産した有機食品にのみ、この有機JASマークを付けることができます。また、有機JASマークがなければ、これらの食品に「有機」や「オーガニック」と表示・販売することができません。
まとめ
有機農業のことについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。有機農業は間違いなく良いことだと思います。ただ、有機食品を作る側から見た場合、今の日本国内では有機JASマークの認証を取得する為に栽培技術以外にも多くのコストや手間がかかったり、認証機関に提出する、日々の栽培日誌や細々とした伝票の管理はもとより、肥料や防虫ネットなどの設備・畑の周辺環境にも厳密な規定があり、栽培品目が増えれば、その分手間も増大したりなど、まだまだ様々な課題が多いところのようです。消費者と生産者が互いに喜び合えるような仕組みを国が作るべきではないでしょうか。